マーメイド紙は画材として使える？描き心地と印刷適性を検証

 

やさしい風合いと上品な質感が魅力の「マーメイド紙」。その名の通り、さざ波のようなエンボス模様を持ち、画材やクラフト用途に人気のファインペーパーです。今回は、PAPER Entranceで取り扱うマーメイド紙を使って、色鉛筆・クレヨン・水彩絵の具・水性ペン・油性ペン、そしてプリンタ印刷まで試してみました。

マーメイド紙とは？画材に使えるファインペーパー

波模様のようなエンボス加工が魅力

マーメイド紙は、表面にランダムな凹凸を持つファインペーパーで、手触りが良く、見た目もやわらかく上品な印象を与えてくれます。発色の美しさと手ざわりを両立させた高品質な紙として、名刺やカード、ブックカバーなど多用途に使われています。

印刷や画材にも対応するバランス型

エンボス加工がありながら、インクや鉛筆のノリも比較的良好である点がマーメイド紙の特長です。印刷会社からも「印刷やデザインの邪魔にならず、ほどよい高級感が出せる」と評価されています。

色鉛筆・クレヨン・水彩で描いてみた

色鉛筆、クレヨン、水性ペン、水彩絵具で描いた様子を比較。マーメイド紙の凹凸が筆記に独特の風合いを与えます。

筆記テスト結果

• 色鉛筆：紙面のかすかな凸凹により、描いた線に立体感や風味が生まれた。
• クレヨン：色鉛筆と同様、凸凹によりできた色ムラに風合いが生まれた。
• 水彩：わずかな凸凹により、色に濃淡がほのかに出て、素朴な立体感が出た。ただし、水分を含みすぎると、紙が思ったより歪んだ。
• 水性ペン：紙面の凹凸に影響されず、色味・線の輪郭は安定したものだった。
• 油性ペン（※画像はなし）：紙がインクを吸い込むため、ペンを動かすスピードによって、インクの溜まりや擦れが生じた。やや不向き。

総評： あらゆる筆記具に適応していると感じた。わずかな凸凹により、濃淡やゆらぎが生まれ、想定していない風合いを生み出した。ただし、水彩絵の具では、紙に歪みが生じやすいので、簡単な彩色に抑えた方がよい。油性ペンは、ひっかかりや擦れが生じやすく、やや不向きだった。

プリンタ出力の印刷適性をチェック

レーザープリント

左：テキスト印刷は明瞭。右：写真印刷は紙の凹凸によりトナーが定着せずムラが見られる。

インクジェットプリント（染料インク）

紙とインクが一体化し、発色も滑らか。写真の仕上がりが最も自然。

インクジェットプリント（顔料インク）

インクが紙の上に乗るため、輪郭がシャープで安定感がある印刷仕上がり。

印刷テスト結果

• レーザープリント

テキスト印刷：きれいに印刷できた。

写真印刷：紙面が凸凹しており、一部トナーが定着しなかった。不向き。

• インクジェット（染料）

  テキスト印刷：きれいに印刷できた。

  写真印刷：もっともきれいな仕上がり。紙とインクが一体化して、紙自体の美しさもそのまま表現された。

• インクジェット（顔料）

  テキスト印刷：きれいに印刷できた。

  写真印刷：問題なく、きれいに印刷できた。

総評： インクジェットは、染料・顔料ともに向いている。レーザーは、テキスト印刷は◎、写真印刷は△（トナーが均等に定着しない）。

マーメイド紙を使う際の注意点とコツ

水分量には注意

水彩絵の具など水分の多い画材を使用すると、紙の繊維が歪みやすくなります。水を多く使いたい場合は、マスキングテープなどで紙を固定してから描くと反りを軽減できます。

印刷時は厚紙モードの設定を

プリンタで印刷する際には、「厚紙」「はがき」などの設定に変更するのがおすすめです。特にインクジェットプリンタでは、紙送りのミスを防ぎ、インクの定着も安定します。

油性ペンの使用には工夫を

油性ペンは、インクの溜まりや擦れが起きやすいため、細かい線画や文字用途よりも、面を塗る用途に使うと風合いを活かせます。

おすすめの用途別・マーメイド紙の活用例

用途	推奨画材・方法	コメント
手描きカード	色鉛筆・クレヨン	やさしい雰囲気が表現できる
メッセージ付きギフト	油性ペン	滲まずにしっかり書ける
子どもの工作	クレヨン・水性ペン	凹凸によって楽しい効果が出る
ポストカード印刷	インクジェット（染料）	鮮やかな写真やデザインが映える
名刺・ショップカード	レーザープリンタ	文字がシャープに仕上がる

まとめ

マーメイド紙は、その美しい風合いと手ざわりだけでなく、画材・印刷の両面で活躍できる実用性の高いファインペーパーです。描いてよし、刷ってよし、贈ってよし。創作の幅が広がる一枚として、ぜひお試しください。

PAPER Entranceでは、カラー見本やサイズ別のセット販売もご用意しています。まずは少量から、実際の使用感を確かめてみてはいかがでしょうか。