和紙シールでつくる、やわらかな灯り/簡単ランプシェード
やわらかく、にじむような光。
それは、和紙だからこそ生まれる灯りです。
近年、インテリアの分野では「和モダン」や「自然素材の心地よさ」が見直され、障子紙のような“光を透かす素材”が注目されています。カフェやホテルで見かける、やさしく空間を包む灯り。その多くに、和紙の考え方が取り入れられています。
和紙は、単なる「紙」ではなく、光を扱う素材でもあります。繊維が長く、ランダムに絡み合っているため、光を均一に遮るのではなく、やわらかく拡散させます。これにより、LEDのような直線的な光も、どこか落ち着いた表情へと変わります。
今回は、そんな和紙の魅力をもっと身近に楽しめる方法として、
和紙シールを使ったオリジナルランプシェードを実際に作ってみました。
完成イメージと和紙の質感

左:消灯、右:点灯。同じ形でも、点灯すると光がやわらかくにじみ、印象が大きく変わります。

近くで見ると、繊維がうっすらと重なり合っているのがわかる。
少しざらついた質感も感じられます。この構造が、光をやさしく拡散する理由です。
今回使う素材と作り方
今回のランプシェードは、以下の3つで構成しています。
和紙シールは、障子補修用として使われる和紙素材のシールで、印刷も可能なため、今回のようなクラフト用途にも活用できます。
- 和紙シール(A4/障子補修用)
- 0.3mm厚 A4プラ板
- 充電式LEDキャンドルライト

A4サイズで印刷した和紙シールと、プラ板、LEDライト。この3つがあれば簡単に作ることができます。
和紙だけでも形にすることはできますが、円筒にした際に歪みや折れが出やすくなります。今回は仕上がりの安定性を考え、プラ板をベースとして使用しています。
作り方もとてもシンプルです。
- 和紙シールに柄を印刷(レーザープリンタ推奨)
- プラ板に貼り付ける
- 円筒状に丸める
- LEDライトにかぶせる
※本記事では発熱の少ないLEDライトを使用しています。ロウソクなどの火気は使用しないでください。
※ライトの大きさに応じて、お好みのサイズにカットして使用できます。筒状にする際は、プラ板の端を約3cmほど重ねてのりしろを作ると、形が安定し、きれいな円筒に仕上がります。
※和紙シールとプラ板を左右に約3cmずらして貼り、シール部分を少し余らせておくと、丸めた際にその部分で貼り合わせることができ、テープなどを使わずに固定できます。
実際に点灯してみると、LEDの強い光がやわらかくにじみ、想像以上に落ち着いた灯りに変わりました。
柄で変わる「光の表情」
今回は、デザインを**3つの方向(和柄・洋風・ベタ)**に分け、それぞれ3種ずつ用意して比較してみました。
同じ素材でも、柄によって光の印象は大きく変わります。
用途や置く場所に合わせて、1種類だけでも、複数並べても楽しめます。
① 和柄(伝統の安心感)
コンセプト:影が美しく出る

左:麻の葉、中央:桜、右:波(青海波)
線のリズムがあるため、点灯すると柄がやわらかい影となって浮かび上がります。
麻の葉は直線の交差がくっきりとした幾何学的な影に、青海波は連続する曲線が穏やかなリズムの陰影に、桜は輪郭がにじみながら柔らかな表情をつくります。
線は細すぎない方が、影が途切れずきれいに出やすいのもポイントです。
昼はさりげない柄として、夜は影が主役になる“二つの表情”を楽しめます。
👉 「和の空間」をつくるなら王道の仕上がり
② 洋風パターン(意外性)
コンセプト:和紙なのに洋

左:果実、中央:ウサギ、右:ツリー
和紙の質感に、あえて洋風モチーフを合わせることで、軽やかで新鮮な印象に。
果実はやわらかな色の重なりで温かみを、ウサギはシルエットが浮かび上がって遊び心を、ツリーは繰り返しの配置で落ち着いたリズムを生みます。
和紙の“にじみ”が加わることで、プリント特有の硬さがやわらぎ、やさしい雰囲気にまとまります。
👉 ナチュラル・北欧系インテリアとも相性◎
③ ベタ・グラフィック(光を演出)
コンセプト:色や面で魅せる

左:風景画、中央:オレンジ系、右:グレー+雪結晶
面の要素が強く、灯りの色味や雰囲気そのものをコントロールできます。
オレンジ系は光源の色と重なって、より温かく包み込むような灯りに。グレー+雪結晶は落ち着いたトーンの中に模様が浮かび、静かな雰囲気を演出します。風景画は明暗差がそのまま光のグラデーションとなり、奥行きのある見え方になります。
色や濃淡で“空間のムード”を作れるのがこのカテゴリの魅力です。
👉 色は“やや薄め”がポイント(濃すぎると光を遮る)
まとめ
和紙は、ただの紙ではなく「光をやわらかくする素材」です。
今回のランプシェードづくりは、
その魅力をとてもシンプルに体験できる方法でした。
- 貼るだけで形になる
- 柄で表情が変わる
- 光がやさしくなる
そして何より、
自分でつくった灯りには、少し特別な心地よさがあります。
この灯り、実は紙の種類でも大きく変わります。
次回は、同じ形で「上質紙」と比較してみます。
今回使用した和紙シールA4は、本来は「障子補修シール」として販売している製品です。
しかし、印刷が可能で扱いやすいことから、このようにランプシェードなどのクラフト用途にも活用することができます。